2013年02月11日

モニ1000 里地調査シンポジウム

 1月26日(土)、東京大学弥生講堂にて開催された「モニ1000 里地調査シン
ポジウム」に出席してきました。
 先ずは、モニ1000とは何?という方が多いと思いますので、簡単に説明します。
 モニとは、モニタリングの略です。英語で書くと、monitoringで、定期的に観察した
り測定したりするという意味です。
 次ぎの1000は、文字通り千です。何故、1000かというと、日本全国で100
0箇所ぐらいで、モニタリングを行うという目標を掲げている事が由来です。
 このように場所を決めて、動植物の生息生育状況を、一定の規格に沿って手法でモニ
タリングし、それを100年ぐらいつづけて、環境や生態系の変化を調査するのが、モ
ニ1000です。ちなみに、これは、環境省のプロジェクトです。NACS-J(日本自然保
護協会)が、里地調査の事務局を運営しています。
 100年続くかは、神のみぞ知るですが、今年で開始5年目いうことで、実際にモニ
1000を実施してきた団体や個人が集まって、報告し合い、交流を深めるというのが
、今回のシンポジウムの目的です。
 モニ1000では、調査する対象を9種類に分けています。列記すると、植物相、チ
ョウ類、中大型哺乳類、水環境、カヤネズミ、カエル類、鳥類、ホタル類、人為的イン
パクトとなります。
 具体的にどういうことをするのかと言うと、毎月1回、決めたルート(袋小路ではな
くループ状が望ましい)を調査員が歩き、どんな種類が、どの位、どんな場所に生息し
ていたかという事を調べ、入力フォームにデータを入力し、NACS-J(日本自然保護協会
)にデータを送るという事をします。
 講釈師、見てきたような嘘を付きと言いますが、この調査方法は、私はまだ、やった
事はありません。来年度から、軽井沢サクラソウ会議でも、植物相にエントリーして、
調査を開始する予定です。それに先立ち、諸先輩たちの経験豊かな話を聞くために、本
シンポジウムに赴いた次第です。

 シンポジウムの内容と感想を簡単に記載します。
第1部(午前) 
1.チョウから見える自然の変化/石井実さん(大阪府立大学)
 石井さんは、モニタリング1000のチョウ類の調査方法を確立された方で、チョウ
研究者です。チョウのモニタリングの利点は、活動しているのが、昼なので観察しやす
く、また、種類数が調査するには適度な数で丁度よいという事でした。日本の土着種で
、蝶は約240種。もし、蝶ではなく、蛾をモニタリングの対象とすると、その種類は300
0種を超えてしまう。同定するだけでも、非常に専門的な知識と経験と根性が必要にな
ってしまう。また、アピールしていたのは、蝶は美しく、好きな人が多いので、一般の
方を巻き込んで調査するには、打ってつけの対象だという事でした。やっぱり、人間、
好きな事じゃないと長続きしないとの事。妙に納得しました。

2.モニ1000里地調査の成果と市民調査の可能性/高川晋一さん(NACS-J)
 高川さんは、NACS-Jのモニ1000の担当者です。各サイトからのデータを集計分析
したり、モニ1000の相談や指導のため、各サイトに赴いたりしている方です。高川
さんからは、モニ1000の概要や、成果が報告されました。
 高川さん含めて、担当二人で、モニ1000の業務を行っているという事で、いやは
や大変な仕事量だなと関心しました。今後、サイトが増えてデータ量が増えれば、パン
クしちゃうんじゃないかとちょと余計な心配をしてしまいました。

3.カヤネズミの住む草原/畠佐代子さん(全国カヤネズミ・ネットワーク)
 畠さんは、カヤネズミ研究家で、カヤネズミ研究や保護の為、日本全国を駆け回って
いる方です。
 そもそも、カヤネズミってどんなネズミ?という疑問が湧くかと思いますので簡単に
説明します。カヤネズミというのは、名前の通り、薄や荻や葦などの茅原を、住処とす
るネズミです。日本一小さいネズミで、茅原に球形の巣を作ります。ハツカネズミやド
ブネズミとは違い、人家などに入って悪さはしません。人間に対して無害か有害かはさ
ておき、何故、カヤネズミかというと、全国的に、カヤネズミが住める茅原の環境が少
なくなっており、環境指標としてカヤネズミが調査されています。
 ちなみに、モニタリング1000で調査するのは、カヤネズミ自体ではなく、巣の数
を調査します。
 畠さんの団体での広報の手法として、面白いと思ったのは、カヤ川柳でした。カヤネ
ズミにちなんだ川柳募集して、住民の認知度を上げて、興味を持ってもらうという事を
やっていました。興味や愛着の向上には効果が抜群という話でした。軽井沢でも、サク
ラソウ川柳のようなイベントを実施しても面白いかも、と思いました。

第2部(午後)
4.モニタリング調査が地域の人々と出来る”理由”/千葉裕さん(里山自然学校はず
みの里)
 千葉さんは、岩手県一関市で、NPO法人 里山自然学校はずみの里の代表をされている
方で、樺の沢というモニタリング1000のコアサイトの調査を行っています。ちなみ
に、コアサイトというのは、多くの対象を調査しているサイトで、モニ1000の中枢
となるサイトで、日本に20箇所ぐらいあります。ちなみに、はずみの里では、9つ全
ての項目をモニタリングしているそうです。
 事務所は小学校廃校跡を利用し、樺の沢の集落住民と協定を締結し、地方自治体など
の機関とも連携しながら、モニタリング調査を行っているという事でした。一部のモニ
タリング調査項目は、地域住民に移管しているということでした。
 調査を長続きさせるコツは、無理強いしない事とおっしゃっていました。また、若い
世代を取り込む方法としては、取りあえず待つしかないという話でした。
 活動を、広く住民へ知らせる方法を質問した所、会って知らせるのが一番大切で、手
と口と”真心”で、一人ひとりに伝えていくのが大事という答えをもらいました。”真
心”をもって”熱意”を伝える事が、シンプルだが、相互理解には、最も効果的という
ことでした。

5.調査結果を現場の保全に活かす/森本信生さん(宍塚の自然と歴史の会)
 森本さんは、茨城県土浦市のNPO法人 宍塚の自然と歴史の会で、活動されている方で
す。宍塚は、豊かな里山があり、古墳群などの遺跡も多いので、自然保護活動だけでは
なく、郷土史についての調査や啓蒙活動もしています。
 自然に関しても、モニタリング1000のコアサイトに指定されていて、多くの項目
を調査しています。また、モニタリング1000以外にも独自の調査を続けていて、サ
シバ、キノコ、クモなどとその調査範囲は多岐にわたっていて、その裾野の広さに関心
しました。
 アカガエルの調査を精力的に行っていて、4箇所で調査しているという事でした。産
卵場所は、雑木林や湿地が多いので、その所有者とのつながりを作るに当たっては、区
長さんを挟んで、知人に仲立ちをしてもらい所有者と話をし、所有者にとって、どうい
うメリットがあるのかを丁寧に説明することで、許可をもらうようにしているというお
話でした。
 また、地元の事は地元の人が一番良く知っているので、各住宅や学校に、お知らせを
配布して、アカガエルの情報について、地元の人から教えてもらっているということで
す。また、子供たちが調査への参加することで、地元との方の意識も高まり、より積極
的に自然の保全に協力してくれるようになるという事です。
 子供たちと一緒に行うという事は、次の世代を育み、つないでいくという意味でとて
も重要だと感じました。モニ1000では100年調査を掲げています。今生きている
方の殆どは、私を含めて100年後には、この世に残ってはいないでしょう。継続的に
、若い世代へタスキをつないでいかないと、100年間やるのは非常に難しいと感じま
した。
 その他、印象的だったのは、お米のオーナー制度の仕組みを作り、”サシバの里 宍
塚米”としてオーナーの方に販売されている事です。ただ、NPOが直接稲作に携わって
いるわけではなく、宍塚の谷津田などの自然豊かな田んぼから収穫されたお米を農家の
方から買いとって、オーナーの方に配っているという事でした。農家の方にとっては、
減反のカウントから外れるため、指定の田んぼで出来たお米はNPOの方で、買い取る事
になっているそうです。最近は、原発事故の影響もあり、オーナーの方が減っている事
もあり、なかなか難しい状況にあるというお話でした。
 
6.森の生き物たち 〜横浜の森の動物たちを見守り発信する〜
  /篠塚理さん(横浜自然観察の森 友の会)、古南幸弘さん(日本野鳥の会)
篠塚さんと古南さんは、横浜市の丘陵地帯にある横浜自然観察の森をベースに活動し
ている方です。この森の保護活動は、友の会、日本野鳥の会レンジャー、横浜市の三つ
の団体が協働して行っています。
 モニ1000の中では、鳥類と中・大型哺乳類のお話をされました。
 まず鳥類の調査方法に関しては、基本的に後ろは振り返らずに、進行方向を向いて視
界に入った鳥類を記載すると言うことです。話を聞いていて思ったのは、鳥に詳しい人
がいないとなかなか難しいと感じました。他の発表者からも意見として挙がっていまし
たが、モニ1000の中でも鳥調査は人気がないとの事でした。同定が難しいうえ、動
きが早いので素人には、なかなか難しいというのがその理由でした。
 次は、中・大型哺乳類についてです。同定作業に付いては、一ヶ月間撮影した写真を
担当専門家が見て同定作業をしますが、追加で、ビジターセンターのモニターで、一般
にも開放して、みんなで動物を見つけて同定作業をしているというお話でした。多くの
人の目でみると、1人では気付かなかった点に気付く事も多いし、また、みんなであー
だ、こうーだと言ってやるのはとても楽しいというお話でした。

7.サイト間交流会
 シンポジウムが終わった後、モニ1000の里地調査員の方々との交流会に参加して
きました。北は北海道から南は九州まで、全国の調査員の方々が参加していたのには驚
きました。長野から参加した私なんかは、開催地の東京に近い方でした。いやいや、世
の中には物好きがいるもんだなと妙に関心しました。
 軽井沢サクラソウ会議でも、来年度から、植物相の調査を行うという事で、簡単なが
ら挨拶をしてきました。来年から始めるという団体や個人の方も結構いました。その中
で、驚いたのは、個人(一応は、団体登録はしているそうです)で、何項目も調査する
予定というつわものの方も数名おりました。
 モニ1000を既に行っている団体の方のお話を聞けて、とても有意義な時間を過ご
す事ができました。

 今回のシンポジウムで、モニ1000の実施方法や、自慢話、苦労話などの体験談を
聞けた事は、来年度からはじめるモニ1000に向けてとても有意義で、今後の活動に
活かしていきたいと思います。多くの方々が言っていた事で共通していたのは、人員の
確保や、地域住民との連携は、一朝一夕には上手くいかないので、地道にコツコツと真
心と情熱を持って取り組むしかないというお話でした。
 それを、参考に、私も真心と情熱を持って、コツコツやっていきたいと思います。

渡辺
posted by 事務局 at 13:05| なんでも日記

2013年02月07日

ひとむしたんぼの会

小川さんちのお米.jpg

塩尻市で開かれた環境省の【生物多様性地域連携促進セミナー】で事例発表した「ひとむしたんぼの会」の代表小川文昭さんと一寸お話ししました。

小川さんが、「軽井沢でも、ツルヤさんに(お米を)出しているんですよ。」と言うのです。

 

後日、ツルヤのお米の棚を除くと、「小川さんちのお米」が並んでいました。

 

3キロ詰めの袋でした。

 

 

美味しいコシヒカリでした。何かもち米のような食感でした。

皆さんもお試しあれ。

 

posted by 事務局 at 10:44| なんでも日記